遠すぎた橋BridgeTooFar2

5.遠すぎた橋(その2)
A Bridge Too Far

←エアフィックス1/76のレオパルドIとエッシー1/72のパンターＡ型を比較してみた。
　レオパルドはもともとパンターのデザインの流れを汲んでいるので、もともとでシルエットはそれなりに似ている。砲塔のハリボテの形状から、やっぱり基本的にはパンターに似せようとしたのだな、と言う事が分かる。
このハリボテ部がもう少し平面形で先細りになっていて、防楯をパンターに似た感じにハリボテしたり、予備キャタピラの位置を変更したりすればもっとパンターに似たものにあったと思うのだが・・・。これでは、「ヤクトティーガーの無理矢理旋回砲塔型」とか「オカッパ頭のカツラ」とか言われても仕方が無い。もっとも、予備キャタピラはIII/IV号戦車の物に似ているし、側面から見ると何故かIII/IV号戦車っぽいので、色んな角度からみて色々なドイツ戦車の感じを出そうとしたのかな、という気もする。一部の解説で「パンターまたはティーガー役」とあるのは、史実でティーガー戦車もこの戦いには参加しているからだろうか、レオパルドが「重戦車」しているからだろうか。

→エアフィックス1/76のレオパルドIとエッシー1/72のパンターＡ型、後から見たの図。
　車体後部の斜めの形状かとかもパンターの基本形と同じなのが分かる。ついでにダミーの排気筒でも付ければ良かった(？)。砲塔側面の雑嚢は発煙弾発射筒を隠す為に付けたのだろうか？
　尚、このレオパルドの側面の変わった工具箱は映画用に作られたものではなく、資料によるとオランダ軍/ベルギー軍で使われた型の標準仕様だ。この映画はオランダで撮影されているから、オランダ軍のものを借りたのであろう。映画では、街中のシーンのものは砲身にちゃんとそれらしいマズルブレーキが付けられていた。
　尚、この模型の塗装は映画の印象で塗ってしまっています。実際は全面普通のグレーだったと思います。ドイツ戦車というとグレー、という印象が強いのか、この映画でも実際にあった様なダークイエローベースに迷彩を施した車輛は、一台の例外を除いて(何故か一台、乗用車であった。)登場しません。

←この角度からみると何となくIII/IV号戦車っぽい、といったらヘビーなIII/IV号戦車フリークさんに怒られるでしょうか？
　尚、このエアフィックス1/76のレオパルドは高校生の頃作ったものを少しレストアしたものです。砲塔上の機銃はＭＧ34の様に見えたので、フジミ1/76の歩兵セットから持ってきました。
　この映画に登場した戦車、軍用車輛はホントに沢山あるのですが、キリがないので模型による紹介は今回はAFVはこれだけで省略させて下さい。次のページからは航空機のＴ6(ノースアメリカン・ハーバード)改造P47(タイフーン?)を紹介します。

「遠すぎた橋」コラム(その1)

●長砲身M４シャーマンがいっぱいだ!!: 　この映画に登場するM４シャーマンは全部長砲身。本物のM4A4ファイアフライや７６ミリ長砲身砲塔型のもあるが、なんと１０５ミリ榴弾砲タイプまでダミーの延長砲身を付けていたりする。実際にはファイアフライはM４四台に一台程度の割合で、７６ミリ長砲身砲塔型の英軍への配備割合は更に少なく、一個中隊に７６ミリ長砲身砲塔型とファイアフライが混在するなどまず無かった筈だ。やはり映画なので、総て長砲身の方が画になるからなのだろうか。砲塔を後に向けたドーザーブレード付Ｍ４(これまた珍しい)はどっちだったか分からないが・・・。→その後、アルンヘムの戦いの頃にはファイアフライの配備割合がかなり増えていたと判明。尤も、この映画ほど多かったかどうかは不明ですが。
●対戦車砲部隊はつらいよ: 　この映画で結構気に入ったのが連合軍の25ポンド榴弾砲撃に独軍の対戦車砲部隊が耐えるシーン。連合軍戦車隊が接近するまで反撃も退避もせずに耐えるのだ(しかも比較的口径の小さい５０ミリ対戦車砲だったりする。(注))。連合軍はじゅうたん爆撃の様に大量に砲撃するのだが、独軍砲兵は逃げると位置がばれるのでじっと我慢している。次々と仲間がやられるのだが一歩も動かないのだ。砲撃が止むまでその場でストイックにじっと耐える独軍砲兵達に妙に感動してしまった。(注・この対戦車砲部隊の使用砲だが、その後の調査により画面に多く登場するのは75ミリPak40であろうという結論となった。50ミリ砲Pak38も、75ミリPak40に防楯、砲身基部共良く似た型もあるのだが、マズルブレーキの形状がシンプルなのが特徴で、この映画では後の方にあるマズルブレーキまで見えないモノが50ミリ砲である可能性はある。尚、砲正面からのカットで一部AMX13・105ミリ自走砲のそれで誤魔化しているカットもあった。(2002/05/18))
●良く出来たsdkfz251のレプリカ: 　アーンエム橋を渡り進撃してくるドイツSSゴタマゼ(笑)機械化部隊・・・。その玉石混交のレプリカの中でも「玉」の方に入るのがsdkfz251のレプリカ。無線機のアンテナのアームがあるものと無いものと二種登場したが、転輪も千鳥配列で自走と、どちらも良く出来ていた。ただし良く見ると転輪の数が一つ足りなく、サイズ的にはsdkfz250の感じになってる。尚、このうちアームのないものの方は「ナバロンの嵐」にもチラリ登場している。

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